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急増する建設業の倒産の理由、
倒産回避のためにとるべき対策

重点課題は「価格転嫁」「待遇改善」「生産性向上」

 経営者の皆さんには説明するまでもないことですが、収益性とキャッシュフローの悪化は倒産の前兆であり、体力のない中小企業にとっては致命的なダメージになります。ここでは収益とキャッシュフローの悪化を回避するポイントを解説します。

(1)資材価格の高騰は受注金額に転嫁する

 長い工期の物件では資材を仕入れるタイミングで、見積を作成したときから価格が上がってしまう可能性があります。資材価格高騰などの対策として、国土交通省は価格スライドの施策を提示していますが、相手先によっては交渉が難しい場合もあるでしょう。しかし、営業上の貸し借りを約束できる場合などの例外を除けば、赤字工事にメリットはありません。日頃から価格交渉ができる関係性を築くこと、そして、価格転嫁せざるを得ないという根拠を示せるよう適切に工事原価を管理しましょう。

 工事ごとの収益確保のためには、受注前と受注後のそれぞれで工事原価を管理することが重要です。見積作成時に実行予算を作成して工事原価のシミュレーションを行うと、受注金額にどれだけの利益が含まれるかが明確になります。

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(2)待遇改善で人材獲得と離職を防止する

 人手不足でお悩みの中小企業では、「若手人材は採用するより定着させる方が難しい」という声を聴きます。人材獲得と早期離職防止のポイントは働きやすさとミスマッチの解消です。建設業の担い手不足は本当に深刻な状態ですから、柔軟な働き方を用意して高齢のベテラン社員に長く働いてもらうことと、若い世代が魅力を感じる環境づくりを並行して進める必要があります。

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(3)工事原価上昇に生産性の向上で対応する

 工事原価が上昇して工事ごとの利幅が少なくなったときに、工事原価以外のコストを抑えることで、利益を確保できる場合があります。無理にコスト削減をめざして従業員の人件費や待遇を下げると離職につながる可能性もあります。

 会社全体の生産性向上に取り組み、社員一人当たりの収益性を高める方向で考えるのがベターです。たとえば、サービスに付加価値をつけて単価をあげる、新規事業を立ち上げるなどの施策が考えられます。

 デジタル化によって、こうした取り組みを行うのがDXです。DXというとハードルが高く感じられますが、ひとつの業務プロセスから始めて段階的に業務全体に広げていく、スモールスタートのDXも可能です。

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<ここまでのポイント>
・資材価格の高騰や工事原価を受注金額に転嫁できるよう工事原価を適切に管理する。
・人材確保のために、ベテランも若手も働きやすい環境をつくる。
・スモールスタートのDXで生産性を向上させる。

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