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リアルな意見をライブで聴ける「パネルディスカッション」活用法

コロナ禍の影響もあり、さまざまなテーマのオンラインセミナーが開催されています。移動時間なしで受講できる手軽さから、受講する人も増えているようです。しかし、受講しただけで満足してしまうことはありませんか?複数のパネリストが意見交換を行うパネルディスカッションは、講義型セミナーとは異なり、気づきを得やすいというメリットがあります。「パネルディスカッションは難しそう」という印象をお持ちの方に、メリットと活用法を紹介します。

目次
-パネルディスカッションってどんなもの?
-パネルディスカッションから得られるもの
-パネルディスカッションで得た“気づき”を活かすポイント
-取材レポート!パネルディスカッション「設備業のDXと人材不足を考える!」
(第3回 設備業ITフェアONLINE)

パネルディスカッションってどんなもの?

パネルディスカッションの「パネル」は英語の識者(panel)の意味で、知見を持つ複数の論者によって行われる討論会をさします。パネルディスカッションの論者をパネリスト、進行役はファシリテーターもしくはモデレーター、コーディネーターと呼ばれます。論者をパネラーと呼ぶ場合もありますが、これは和製英語です。

一般的には、パネリストが各々の研究成果や事例を発表した後、進行役が投げかけるテーマをパネリスト同士が討論する形式で進められます。同じく複数の論者による討論にシンポジウムがありますが、シンポジウムは聴衆からの質問に応える流れで、論者同士の議論が行われます。

研修や勉強会でもっとも多いのは講義型のセミナーです。講義型では、演者が事前に用意した内容を説明するため、内容的には限定されます。その分、わかりやすく用意された講義内容を落ち着いて聴くことができるため、知識の習得に重点を置きたい場合は講義型が適しています。

それに対してパネルディスカッションでは、複数のパネリストの意見を聴くことができます。議論を聴くことで、より深くテーマについて理解できます。また、ライブ感や自分に近い視点や意見をもつパネリストへの共感などから、討論内容をより身近に受けとめやすいというメリットがあります。

<ここまでのポイント>
・パネルディスカッションでは、テーマへの理解を深め、より身近に受けとめられる。
・講義内容を落ち着いて聴ける講義型は知識の習得に適している。

パネルディスカッションで得られるもの

パネルディスカッションの最大の特徴は、複数のパネリストの生の声を同時に聴ける点です。さらに、ディスカッションでは異なる意見を比較しながら聴けるため、多面的にテーマを捉える機会になります。

パネリストの議論を自分と比較しながら考えることは、自分なりの“気づき”を得るチャンスです。例えば、自分と立場や状況が近い人からは同じ視点の人がどのように考えているか、自分よりも先進的な取り組みをしている人からは、参考にできる事例やノウハウを知ることができます。

また、自分と同じ目的意識をもつパネリストのポジティブな討論を聴くことは、モチベーションアップにもつながります。日頃、苦労していることや着手すべきと思いながら、壁にぶつかっていることを解決する糸口を発見できる可能性があります。

<ここまでのポイント>
・異なる意見を比較しながら聴けるため、多面的にテーマを捉えられる。
・パネリストと自分と比較しながら考えることで、自分なりの“気づき”を得られる。
・壁にぶつかっていることを解決する糸口を発見できる可能性。

パネルディスカッションで得た“気づき”を活かすポイント

課題解決に取り組む場合に鍵となるのは「知識」ではなく、「気づき」である場合が多いです。知識やノウハウももちろん大切ですが、その知識を活かせるどうかは「気づき」にかかっています。課題解決は「何らかの課題・問題がある」という「気づき」から始まります。現状への不満や悩みを「気づき」に昇華することが課題解決のスタートラインです。悩み続けるだけでは、何年かかっても解決はできないのです。
異なる視点の意見を比較検討できるパネルディスカッションは、「気づき」を得やすい機会です。ディスカッションの中で課題解決のヒントが提供されるので、聴講しながら、関連する課題の解決策を考えることもすごく捗ります。学校の授業ではありませんので、そうした活用法ももちろんアリです。

講義型でも同じですが、「勉強する」という意識が強すぎると、聴講しただけで満足してしまうことがあります。さまざまなセミナーを渡り歩きながら悩み続ける方もいます。勉強してもアウトプットできなければ参加した時間がもったいないです。
時間と機会を無駄にしないために、“勉強する”という意識を捨て、受講した成果物をつくることを意識しましょう。そのためのポイントをご紹介します。

<“勉強”で終わらせないためのポイント>
・「自分の会社ではどうするか」を考えながら聴き、具体的なアイディアを出す。
・アイディアを基に、できるだけ早くアクションを起こす。※期限を設定するのがベスト。
・着手できない場合は具体的な理由を洗い出し、解決方法を模索する。

<ここまでのポイント>
・勉強してもアウトプットできなければ意味がない。
・聴講による成果物をつくることを課題にする。
・実行までのプロセスを設定して確実にアクションにつなげる。

取材レポート!パネルディスカッション「設備業のDXと人材不足を考える!」

<パネルディスカッション総括>
・人材確保は採用より定着が難題。建設業界の常識にとらわれず、環境を整える必要あり。
・残業削減の特効薬はない。改正労基法への対応を進めながら、抵触した時にどうするかを考えておくべき。
・バックオフィス業務の電子化は課題を発見することから。課題への気づきが重要。

受講するだけでは意味なし!“気づき”を仕事に活かそう
セミナーや研修に参加すれば、新しい知識や他社の事例を知ることができます。残念ながら、そこで得た知識を仕事に活かせていない受講者様が少なくありません。
もちろん、知識を得ることは大切ですが、社会人にとって、実践につながらない「勉強」は時間のロスと言っても過言ではありません。自分の会社はどうすべきかを発見する「気づき」を得ることが重要です。
複数の意見を比較しながら聞けるパネルディスカッションは、自社との比較がしやすく、「気づき」を得やすいというメリットがあります。さらに事前にそのテーマに関する自社の課題を洗い出しておくと、より比較検討がしやすくなります。

“勉強しに行く”意識を捨て、パネルディスカッションを通して、自社の課題解決策を発見するつもりで受講してみてください!

毎回大好評の設備業ITフェアONLINEのパネルディスカッションの模様をダイジェストでまとめました。

設備業ITフェアONLINEとは
設備業ITフェアONLINE(主催:全国設備業IT推進会)は、設備業の皆様のためのオンラインイベントです。インターネット環境があれば、設備業の課題解決に役立つセミナーやパネルディスカッションをどこからでも視聴できます。
会期中はWeb展示会、最新ITツール&サービス動画セミナーが常設されていて、セミナーはアーカイブ配信でも視聴できます。

パネルディスカッション「設備業のDXと人材不足を考える!」
3回目となる今回のテーマは「設備業のDXと人材不足」。インボイス制度や電帳法改正への対応、人材不足など、設備業の皆様が抱えているお悩みを、電気工事業、管工事業のゲストと建設設備業界に精通した人事コンサルタントが語りました。

<開催概要>
第3回設備業ITフェアONLINE(主催:全国設備業IT推進会)
パネルディスカッション「設備業のDXと人材不足を考える!」~ 設備工事業の方々にご参加いただき本気で討議 ~
2022年2月9日17:00~Live配信、10日17:00~アーカイブ配信

MC:人手不足に関する課題や取り組みを教えてください。

加藤:社員の口コミや友だち紹介に報奨金を出す方法で、5年で4名採用し、定着している。高齢者の再雇用とあわせて、何とか必要な人数を確保している。

後藤:定着の難しさ。採るよりも残す方が難しい。講師をしていた専門学校の生徒は、3年後には入社した会社に3割も残らないようだ。「休みより残業代が欲しい」と言っていた若手が、「やはり休みが欲しかった」と言い出して辞めてしまった。コミュニケーション不足と言えばそれまでだが、対応に困っている。
IT推進会のレクチャー通りにハローワークの募集要項を改善した結果、面接依頼は増えたが、定着率が悪いため、現在は止めている。
YouTubeで業界の楽しさを伝える活動をしている。(電気工事士の)資格取得が業界への定着につながると考え、試験対策などのレクチャーも。

菊池:10年前から大卒の新卒採用。リクナビ、マイナビ、学情などの合同説明会に積極的に参加し、電気工事の楽しさを伝えている。会えているのは文系学生が中心。中学・高校の理系科目で挫折する子が多いようで、モノづくりが好きな子が理系に進んでいない。仕事の面白さを伝えて人物重視で採用する方針。

安藤:5年前から新卒採用。工業高校の出前授業が継続的な採用につながっている。引退する高齢者と入れ替わりで、ハードルが高い役割も若手に任せている。仕事はお客様に怒られながら覚えるもの、何かあったときには社長である自分が謝罪すればいい。

MC:多能工の育成に取り組んでいますか。

安藤:リフォームの仕事も始めたので、電気工事以外も必要になる。前職や経歴にこだわらず、人を見て採用し、向いている仕事を割り振るようにしている。

菊池:もともと電気屋の仕事は多能工に近い。こだわらずに教えていけばできる人はできる。

MC:労基法改正、残業時間の上限規制への対応は?

菊池:フレックスタイムや振替休などで工夫はしているが、年度末は難しい。残業時間の上限規制には一企業の努力では解決できない。
団体として発注者である自治体に1~2月に前倒し発注するよう働きかけ、横浜では(1~2月に)少しずつ出てきている。国交省からの指導だけに任せず、声をあげていくべき。

安藤:北海道は冬には工事ができないため、さらに平準化が難しい。

MC:残業削減のための施策は?

山本:「これをやれば」という特効薬はない。現状を把握できていない場合は、DXによる“見える化”から始めるべき。労基法に触れたときにどうするか、抵触しないためにどうするかを考えていくことを奨めている。
罰金30万円の罰則は設けられたが、今のところ是正勧告や社名公表に留まっており、罰金の事例はない。但し、指導が入ると継続的に勤怠データの報告を求められ、日報では認められない。また、押し忘れ修正などで時間が揃い過ぎていると、信ぴょう性が疑われる。

安藤:KINTONEでスマホを使った勤怠管理アプリを作り、タイムカード打刻のための出社をなくし、事務職にはフレックスタイム制を導入した。一律の制度ではなく、柔軟に考える必要がある。KINTONEの勤怠管理は修正履歴が残り、体温を入力しないと打刻できないしくみになっている。

菊池: 知り合いの会社は職人がWEBカメラを身につけ、現場監督が離れた場所から指示を出せるようにしている。広い現場で役立っている。自社でもスマホを活用してコミュニケーションをとり、会社に戻らなくてすむ環境を整えている。

MC:バックオフィス業務の電子化
インボイス制度、電子帳簿法改正により、バックオフィス業務の電子化は必須と考えられます。免税事業者は、仕入税額が控除できなくなるだけでなく、発注者側の経理処理が煩雑になる点でも不利になります。中小企業向け共通EDIによる受発注業務のデジタル化が推進されています。

MC:バックオフィス業務の課題に気づけていますか

後藤:自動仕訳の会計ソフトを入れたが、手戻りが多く、かなり手間がかかる。受発注は融通が利くよう発注方法が多様化しているので難しい。やるなら徹底的に(自動化を)やらないとダメだと思う。

安藤:給与計算の残業を無くしたくて勤怠管理を導入した。なぜ、そんなに残業するのかと思っていたが、勤怠の集計作業が大変なことがわかった。KINTONEの勤怠管理を、実際に打刻する社員たちに作らせたら、自分たちで改修を重ねている。

菊池:どっぷりつかってしまうと、課題に気づけない。建設業のあたり前が通用するのは40代、50代まで。週休2日でない会社に若者は来ない。自分の常識が世間の常識でないことを若者たちに教えてもらった。社長が若者に声をかけても、(正直な)気持ちはなかなか返ってこない。彼らにとって身近な直属の上司や先輩を通して聞きだすようにしている。様子が変わっていることに気づくことが大事。

MC:設備業のDX、生産性向上のサポートへ
設備業の生産性向上、DXを考える際に活用できるIT導入補助金2022の概要が発表されました。2021年度から変わったのは、PC、タブレット、レジなどハードウェア購入費用、クラウド利用の費用が2年分まで補助対象になったことです。
アフターコロナにテレワークはどうなるのでしょうか。コロナ対策でつくりあげたものを捨ててしまってはいけないと思います。IT推進会は、製品やサービスを売るだけでなく、設備業の明るい未来に向けて、寄り添ってお手伝いしたいと考えています。

<パネルディスカッション総括>
・人材確保は採用より定着が難題。建設業界の常識にとらわれず、環境を整える必要あり。
・残業削減の特効薬はない。改正労基法への対応を進めながら、抵触した時にどうするかを考えておくべき。
・バックオフィス業務の電子化は課題を発見することから。課題への気づきが重要。

受講するだけでは意味なし!“気づき”を仕事に活かそう

セミナーや研修に参加すれば、新しい知識や他社の事例を知ることができます。残念ながら、そこで得た知識を仕事に活かせていない受講者様が少なくありません。
もちろん、知識を得ることは大切ですが、社会人にとって、実践につながらない「勉強」は時間のロスと言っても過言ではありません。自分の会社はどうすべきかを発見する「気づき」を得ることが重要です。

複数の意見を比較しながら聞けるパネルディスカッションは、自社との比較がしやすく、「気づき」を得やすいというメリットがあります。さらに事前にそのテーマに関する自社の課題を洗い出しておくと、より比較検討がしやすくなります。

“勉強しに行く”意識を捨て、パネルディスカッションを通して、自社の課題解決策を発見するつもりで受講してみてください!

第3回設備業ITフェアONLINE2022

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