1. HOME
  2. ブログ
  3. その他
  4. 建設業 入札初心者向け解説 公共建築工事共通費積算基準の改正点と活用

BLOG

ブログ

その他

建設業 入札初心者向け解説 公共建築工事共通費積算基準の改正点と活用

入札初心者のための入札対策

(1)入札のしくみと用語解説

 はじめて入札に参加するとき、耳慣れない言葉に戸惑うことも多いです。入札は国の行政機関や自治体などの発注者ごとに行われ、入札参加できるのは申請を経て登録された事業者です。入札参加の準備や流れについては、こちらの記事で解説しています。

関連記事:ゼロから始める設備業の入札対策 公共工事に参入したい経営者様必見!

 一口に入札と言っても、発注者や物件によって入札方式が異なります。発注者のホームページなどで公開されている入札情報をチェックして、自社に適した物件に入札する流れになります。入札について理解するために知っておくべき、入札用語を解説します。

・予定価格
 発注者が契約金額を決定する基準として見積もった金額。落札価格の上限となり、これを下回る入札がない場合は不調となります。

・最低制限価格
落札の下限にあたる価格をさし、これを下回ると失格になります。ダンピング防止の対策として定められるもので、各科目に一定の料率をかけて算出します。

・低入札調査基準価格
 これよりも低い価格で入札された場合、価格の根拠、妥当性などを調査したうえで、工事が適正に行われ、品質を担保できると判断されたときに発注が認められます。算出の考え方は最低制限価格とほぼ同じです。

・予定価格の事前公表、事後公表
 東日本大震災後に、全国の入札で不調・不落が多発した時期に予定価格を事前公表するケースが増加しました。国土交通省は入札適正化のために、予定価格の事後公表を推奨していますが、一部の自治体では予定価格の事前公表を継続しています。

・総合評価落札方式
入札価格に加えて、競争参加者の能力・実績等を評価し、両方の結果をあわせて落札者を決定する方式。競争参加者からの技術提案、環境問題への取り組み、従業員の資格保有状況、人材育成の取り組みなど多角的な評価項目が用意されます。

(2)入札初心者でもできる公共工事積算

 一般的な入札価格の算出は仕様に基づいて積算見積を行い、見積もった額を基準に入札価格を決定するという流れになります。しかし、公共工事では入札価格の上限である予定価格が事前に公表される場合があります。さらに、落札価格の下限である最低制限価格もしくは低入札調査基準価格を算出する計算式は、発注者によって定められます。物件ごとに計算式を変更する発注者もありますが、どちらかというと一定の計算式で定める場合が多いようです。

 つまり、落札価格の上限である予定価格がわかれば、落札価格の下限を算出することができ、落札可能な金額の範囲を予測できるということです。公共工事の積算は民間工事よりも複雑ですが、一定の計算式や基準ににもとづいて算出できるため、入札初心者でも実践を重ねながら勉強していける部分があります。

(3)入札参加しながら勉強できるITツールの活用

 入札参加の経験がない会社でも、公共工事積算のノウハウが詰め込まれたITツールがあれば、落札可能な入札価格をはじき出すことができます。

 公共工事の最低制限価格は、定められた計算式によって求められます。計算式に含まれる変動要素(その他工事、リース料、発生材処分費、スクラップ費)に応じて、最低制限価格の金額も変わります。公共工事の予定価格は品質管理のために一定の精度が保たれており、受注者の利益確保にまで配慮されています。

 公共工事経費計算ツール「Smart」を活用すれば、初心者でも簡単に、事前公表された予定価格と変動要素の金額から、最低制限価格を算出することができます。また、発注者ごとの入札物件の履歴情報を蓄積して分析することで発注者の傾向を把握でき、より精度の高い入札価格を算出できるようになります。入札と分析を重ねていくことで、共通費計算の知識やノウハウが蓄積できるでしょう。

公共工事経費計算ツール「Smart」

<ここまでのポイント>
・発注者や物件によって入札方式が異なる。入札情報のチェックは必須。
・公共工事の最低制限価格は定められた計算式によって算出できる。
・予定価格の事前公表で落札価格の上限と下限がわかる。

関連記事