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【熱中症対策】猛暑の工事現場で作業員を守る労働安全のポイント

従業員を守るために会社がとるべき対策

労基法(施行規則別表第1の2第2号の8)により、熱中症は業務上の疾病と規定されています。万が一、熱中症で倒れた作業員が休業したり、死亡したりした場合には労災申請が必要になります。その際、法令上、義務づけられている熱中症対策を講じられていたかどうかを問われます。

・塩及び飲料水を補給できるよう備えつける(労働安全衛生規則第617条)
・冷房、通風等の設備を備える(労働安全衛生規則第606条)
・半月ごとに気温,湿度,輻射熱を測定する(労働安全衛生規則第607条1項)

参考:【第7章】第1節 熱中症に関連する法令(一般社団法人中小企業建設業特別教育協会)

(1)熱中症の予防法、対処法について周知する

熱中症を予防するための働き方や生活上の注意、発症した場合の対処法について、すべての従業員に周知します。漠然と注意を促すのではなく、具体的な知識やリスクを共有することで指示を徹底させやすくなり、緊急時の対応もスムーズになります。無料で使用できる熱中症に関するWEB教材(要申請)も提供されています。

>熱中症予防教育 教育課程(一般社団法人中小企業建設業特別教育協会)

>無料WEB教材の使用申請について

(2)現場の状況を把握し、適切な働き方を指示する

現場管理者は、暑さ指数(WBGT)や作業状況を踏まえて熱中症リスクを判断し、従業員が不調を感じる前に対処する役割が求められます。作業時間や現場の状況により、休憩時間を調整する判断も必要です。

(3)休憩スペース確保、飲料、冷却グッズの支給

冷房を備えた休憩スペース、塩分と水分の補給は法令に基づく対応であり、対処を怠った雇用者は責任を問われます。万が一の時に設備はあったが利用されていなかったということがないよう、すべての従業員が必ず利用するよう促すのも責任のうちです。屋外作業のための冷却グッズを活用するのも効果的です。

(4)作業中の様子をしっかり見守る

同じ条件で働いていても、年齢や体調によって熱中症のリスクには差異があります。また、周囲からみて様子がおかしいのに、本人は症状を自覚できない場合もあります。暑さ指数(WBGT)などの数値による判断基準に加えて、従業員個々の体調の観察を心がけましょう。

(5)暑さ指数・体調を管理・記録する

睡眠不足や疲労の蓄積など、個人の体調次第で熱中症を発症しやすくなります。たとえば、前日の飲酒によって脱水症状を起こすこともあります。勤務時間外の健康管理について注意を促し、就業前にその日の体調をチェックすることが推奨されています。

ご存じの方も多いと思いますが、熱中症が労災として認定されるためには、熱中症を発症していると診断されること(医学的診断要件)と、熱中症の発症が業務に起因すること(一般的認定要件)が必要です。労災申請時に提出する状況報告書によって、熱中症と業務の因果関係があると判断できる状況を具体的かつ客観的に記載しなければなりません。

労災の認定要件に、「作業条件及び温湿度条件などの把握」があります。熱中症の場合は暑さ指数(WBGT)や水分・塩分の補給などが指標となります。雇用者の安全配慮義務として朝礼時に体調報告などを行ったり、暑さ指数(WBGT)を記録したりするなどの対策を行いましょう。

<ここまでのポイント>
・熱中症による休業、死亡時には労災申請が必要。
・熱中症対策は雇用者の義務であり、従業員への周知徹底が求められる。

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