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【建設業の原価管理】工事原価を簡単に管理する方法

 建設業の経理についてはアバウトな印象を持たれがちです。実際、工事ごとの原価管理を大まかに済ませている会社もあります。その理由には工事原価管理の複雑さ、変動要素の多さがあります。
 適切な工事原価管理でメリットがあることを漠然と理解していても、管理を行える人材が少ないために、労力や時間を惜しんで見送ってしまう傾向もみられます。工事原価管理のメリットや簡単に管理する方法を解説します。

目次
-工事原価を管理できない理由
(1)原価計算の複雑さ
(2)変動要素の多さ
(3)管理業務の労力
-工事原価を管理するメリット
 -工事原価管理のポイント
(1)現場ごとに経費を分解する
(2)配賦計算(人件費、経費)
(3)配賦計算(共通経費)
-原価管理システムで何ができる?
-原価管理で生産性向上と経営基盤の強化

工事原価を管理できない理由

他の業種と同じように、建設業でも工事原価を工事ごとに管理するのが原則ですが、実際には徹底されていない会社もあります。工事原価の管理が難しい理由について考えてみましょう。

(1)原価計算の複雑さ

建設業の原価計算は複雑です。設備業の経営者には他業種を経験していない方も多いですが、他業種の経理経験者でも慣れるまでには時間がかかり、税理士にも建設業の経理がわからない人は多いです。

労務費と外注費
 建設業を支えている一人親方などへの業務委託費は、臨時雇用者の賃金と同じ外注労務費として扱われ、外注費ではなく労務費として仕訳されます。発注先が個人ではなく法人の場合は、一般的には外注費として扱われますが、実質的には労務費と同等の場合もあり、判断が難しい場合があります。外注費の比率が高くなると、自社でとりしきった工事が少ないと判断される可能性があります。

工事進行基準
 材料費、労務費、外注費などの経費を先行して計上する工事進行基準により、会計処理が複雑になっています。そもそも工事進行基準は適正な原価管理を行うための会計処理ですから、工事進行基準の処理を行いながら、工事ごとの原価計算を省略するのでは労力を無駄にしているとも考えられます。

共通費
 現場ごとに工事費に含まれる共通費等には、工事費を構成するうえで原価に含むものと含まないものが混在します。一人の従業員の人件費でも、業務によって工事原価に算入するかどうかを判断しなければなりません。

(2)変動要素の多さ

不測の事態で材料費や労務費が増加する可能性があります。材料や外注費などの価格など、原価が変動する要素は数多く存在します。その変化を把握するためには、予算と実績の対比が必要になってきます。

(3)管理にかかる労力

複雑な仕訳と多くの変動要素に対応するには、原価の集計と対策をリアルタイムに行わなければなりません。現場ごとの個別原価計算では現場担当者の判断が求められます。しかし、集計すべき項目も多く、かなりの作業負担となってしまうのも事実です。

<ここまでのポイント>
・複雑な原価計算手法や変動要素の多さで原価管理の作業負荷が高い。
・経営者、現場担当者の負担となり、徹底できない会社も多い。

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