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【建設業の見積】担当者ごとの見積格差を解決して利益率アップを!

設備業では、施工管理を行う現場代理人が見積作成の業務を兼ねる会社が多く、さらに経営者であることも。そのため、見積担当者には業務が集中しがちです。見積を社員に任せると、人によって見積内容にバラツキが生じるなど、受注機会や利益に影響する差異が生じる場合があります。これらの原因となる見積の格差の原因と解決方法について説明します。

設備業の利益を圧迫する担当者ごとの見積格差

設備業の皆さんは、仕事を受注する際、発注者から提供された図面を基に見積書を作成されます。同じ図面から見積を作成しても、作成者によって見積金額が変わってしまうことがあります。会社ごとの違いはもちろん、社内でも見積の格差があることはめずらしくありません。

見積担当者がそれぞれに我流で見積作成すると、判断基準や算出方法の個人差が見積に反映されます。材料の拾い出し、歩掛り、経費の算出、発生頻度の高いリスクをどこまで見積に反映させるか、どれだけ利益をのせるかなどにギャップが生じます。

例えば、楽観的なAさんは材料費や労務単価を算出する際、最小限で見積もります。一方、慎重派のBさんは常に材料費や労務単価に少し多めに計上します。利益が含まれない見積は論外ですが、見積額が高すぎれば受注が難しくなり、安すぎれば利益を出しづらくなります。

Aさんの見積 見積額が低めに抑えられる、材料費や労務単価に余裕がない。
小さなアクシデントや変更でも赤字になりやすい。
Bさんの見積 利益は多いが、見積額も高くなる。割高感を持たれる可能性あり。

品質や安全衛生に必要な材料費や労務費は確保しなければなりませんが、工夫次第で削減できる原価や経費もあります。“売上は創るもの、利益を生み出すもの”という言葉のとおり、工夫や努力が利益を生み出します。利益を管理するためには、見積作成と施工管理を違う人が担当する場合、受注額に含まれる利益について共通認識をもつことが必要です。

見積の格差は、受注機会の損失、利益の減少、残業時間の増加にもつながります。

どんぶり勘定とは言わせない!建設業における見積作成の基本

見積は大まかには以下の手順で作成され、材料費、労務費に、現場経費、一般管理費、利益を加算していきます。

  • 図面から材料を拾い出し、材料費を積算する
  • 現場の状況と材料の歩掛から労務費を算出する
  • 現場経費や一般管理費を計算する

材料の拾い出しと歩掛は見積担当者の判断に左右されます。現場の状況に応じた施工方法や留意点を材料の歩掛に加味するのが見積担当の役割です。見積担当者の経験やノウハウを活かしつつ、一定の判断基準を設ける必要があります。

また、材料の単価は仕入れによっても変動しますが、見積作成のたびに仕入れ単価を反映していると時間がかかり、かなりの手間になります。建設物価データを活用し、状況に応じた係数をかけて見積に反映させていくと、見積の精度を保ちながら作成作業を効率化できます。

受注確度を上げるためには、見積依頼にスピーディに対応することと、入札や見積合わせと競合がない場合などの状況に応じて見積の作り方を変えることが必要です。社内で、効率よく見積を作成する方法と競合に勝てる見積作成のノウハウを共有していくことが大切です。これらについては、別の機会に詳しくご説明します。

一般住宅の工事で施主が工事内容を理解できないまま契約し、仕上がりがイメージと違う、追加費用が発生した時に「だまされた」と思いこむなどのトラブルもあるようです。“工事一式”で括られた見積はどんぶり勘定という印象を持たれます。明細や見積の根拠を示すことでトラブルを避けられます。

赤字見積をつくらないための注意点

ざっくり言えば、赤字となるケースは見積の段階で必要なコストが見落とされているか、受注後にコストが増大するかのどちらかに該当します。前者はほとんどの場合で人為的なミスが原因ですから、計上すべき項目のモレや計算ミスの防止で解決できます。
後者は、現場でのトラブルや材料費や労務費の急騰、発注者都合による設計変更などもあり、見積作成時には想定が難しい場合もあります。しかし、発生頻度の高いリスクを見積に反映することはできるでしょう。
また、設計変更などが生じた場合、現場担当者が材料費や労務費の根拠を把握できていると、現場でも追加請求が必要になるかを判断できます。また、値引きできる幅が明確になっていれば、安心して価格交渉ができます。

適正な見積と利益確保のために必要なポイント

適正な見積で利益を確保するためには、見積作成のルールを定め、全員がルールを守ることが必要です。発注者との関係性や経営判断で見積金額を変更するケースがあっても、明確な基準があれば、利益を確保しながら金額調整しやすくなります。

    <見積の標準化のためのポイント>

  • 見積作成のルールを定め、算出基準を明確にする。
  • 必要な項目を網羅したテンプレート、算出方法のマニュアルなどを作成するとよい。
  • 見積担当者は、必ずルールをしたがって見積を作成する。
  • イレギュラーな見積内容の上司への報告や理由の記録などをルール化する。
  • 上司が見積をチェックする工程を設ける。※できれば提出前、提出後でも可。

「見積担当者がルールを守らないのでは」という懸念は、見積作成ソフトの活用で解決できます。見積作成ソフトには、見積書のテンプレート化や資材や労務費の単価を統一するマスタなど、見積作成を効率化する機能が搭載されています。作成した見積は一元管理され、クラウド対応の製品では外出先から閲覧や承認もできます。

見積作成を標準化するメリット

見積の標準化により、利益を確保しやすくなる、見積作成の作業を効率化できるなどの効果が期待できます。慣れた見積担当者は、Excelなどの過去の見積データをテンプレートとして流用している場合が多いですが、見積作成ソフトはより使い勝手がよく、便利な機能が搭載されています。過去の見積データの参照、工事実績の集計資料への活用も簡単にできます。

メリット① 見積担当者ごとの格差がなくなる
見積作成のルールを守れば、誰が作成しても一定の利益を計上した見積書が作成されます。見積の格差によるロスを減らせます。
また、担当によって見積金額が違うという、対外的な信用問題も解消できます。

メリット② 見積作成の作業時間を短縮できる
必要な項目が網羅されたテンプレートを作成して活用すれば、見積作成の作業時間を短縮できます。見積依頼への対応もスピーディになり、見積提出の遅れによるチャンスロスをなくせます。見積作成ソフトには、建設物価データや資材マスタが含まれるものもあり、さらに効率が向上します。

メリット③ 見積を作成する人材を育成しやすくなる
過去の見積データから、受注の可否や収益性などの傾向を分析できます。スキルの高い担当者の見積を参照することでスキルアップにもつながります。見積作成の手順やルールが明確になっていれば、若手に初めての見積作成を指導する際にも役立ちます。

社内の見積格差がなくなれば利益を確保しやすくなる

見積の標準化によって以下のポイントが改善され、利益を確保しやすくなります。

    <見積作成の標準化による改善ポイント>

  • 誰が作成した見積にも一定以上の利益が含まれるようになる。
  • どの程度のリスクを見こんでいるかの基準ができ、施工管理がしやすくなる。
  • 見積作成にかかわる人材を育成しやすくなる。

IT導入補助金を活用して見積作成ソフトを導入すれば、導入費用の1/2もしくは2/3、最大450万円まで補助されます。IT導入補助金2021の3次募集の締切は9月30日です。
但し、必要な手順で3週間ほど時間を要するものもありますので、早目の準備が良いでしょう。
石田データサービスは、見積作成ソフトの導入検討から補助金の申請サポートまで、丁寧にお手伝いしています。お気軽にお問い合わせください。

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