1. HOME
  2. ブログ
  3. DX
  4. 設備業のデジタル化、DX成功のカギとなる社員の適性と人材育成

BLOG

ブログ

DX

設備業のデジタル化、DX成功のカギとなる社員の適性と人材育成

 インボイス、電帳法対応など、中小企業でもデジタル化に取り組まざるをえない環境になりつつあります。建設業、設備業も例外ではなく、デジタル化からさらに踏みこんだDXに目を向ける会社も少しずつですが、増え始めています。しかし、DXの難しさ、失敗事例などを耳にする機会も多く、特に中小企業ではDXに取り組むための経営基盤や人材の不足がボトルネックとなっているようです。

 中小企業である設備業がDXを成功させるためのポイントを解説します。

目次
-デジタル化とDXはどう違う?成功させる5つのポイント
(1)DXの目的を明確にする
(2)業務の棚卸しをする
(3)現状の課題を明確にする
(4)従業員の意識を改革する
(5)スモールDX 小さく始めて業務全体に広げる
-デジタル化による業務の流動化が生産性向上に!
-DX成功のカギとなるのはこんな社員!適性と育成のポイント
(1)柔軟な考え方ができる
(2)物事を合理的に考える
(3)広い視野をもてる
(4)新しい取り組みや変化に抵抗がない
(5)人と関わるのが好き
-事務作業の省力化を営業や工事部門のサポートへ

デジタル化とDXはどう違う?成功させる5つのポイント

 DXはトレンドワードとして定着していますが、IT化とデジタル化、DXの違いがピンと来ていない方もいらっしゃるでしょう。いずれも業務にITを導入する点は共通していますが、目的やゴールが異なるため、考え方や取り組みが変わってきます。それぞれの目的や定義を下表にまとめました。

目的 定義
IT化 業務の効率化 情報の活用度や価値を高め、デジタル化を進める
デジタイゼーション(デジタル化) 工数やコストの削減 伝票などを用いて手作業で処理していた業務をデジタルに置き換える
デジタライゼーション(データ活用) デジタルの適用 デジタルによって作業や業務をシームレスに連携し、業務プロセス全体を効率化する
デジタルトランスフォーメーション(DX) 業務やビジネスの変革 デジタルによって製品やサービスの価値に新たな価値を創造し、企業文化・社風を変革させ、競争上の優位性を確立する。

 文字だけですと棲み分けがわかりづらいですが、図解するとこのような形になります。IT化、デジタル化ではそれ自体がゴールになりがちなのに対し、DXではITを用いて、サービスやビジネスモデル、場合によっては会社そのものの変革を実現します。

DXを成功させるための5つのポイントを解説します。

(1)DXの目的を明確にする

 DXのゴールは新たな価値創造や変革です。漠然と選んだシステムやデバイスを導入するだけでは実現できません。DXの取り組みによって達成したいこと、目標を明確化にすることが重要で。直近の業務効率化などではなく、5年後、10年後に事業や会社がどうありたいかをイメージし、明確な目標を定める必要があります。

(2)従業員の意識を改革する

 DXは、経営者と全従業員が一体感を持って取り組まければ、うまく進みません。部署ごとの縦割り意識や担当外の業務を他人事のように考えているようであれば、従業員の意識改革から始めなければなりません。社長のリーダーシップで会社全体を巻き込み、部署ごとにDXへの取り組みをけん引するリーダーが必要です。

(3)業務の棚卸しをする

 DXの目標設定と目標に向かう意識改革ができたら業務の棚卸を行い、自社の現状を可視化します。

<業務の棚卸の手順>

①業務分掌の作成:各部署の役割と担当業務を書き出す
②業務フローの作成:各部署の日常業務と部署間のつながりを書き出す
③IT活用の把握:利用しているシステム、外部サービスなどを書き出す

(4)現状の課題を明確にする

 DXで実現したい理想状態(あるべき姿やフロー)を作成し、業務の棚卸で可視化した現状とのギャップを洗い出します。課題の発見や課題解決の障害となる要素を明確にしていきます。現状の課題に加えて、社員の高齢化や人材不足、物価高などの社会課題にも対応できるよう想定しておく必要があります。

(5)スモールDX 小さく始めて業務全体に広げる

 企業によっては(特に中小企業では)、DXの取り組みによって負担が増える可能性があります。高すぎる理想を掲げると取り組みが長期化し、導入効果が得るまでに時間がかかりすぎると、経営を圧迫する場合もあります。中小企業には身の丈にあった目標を設定し、短期間で導入でき、すぐに成果を実感できるデジタル化が適しています。小さく始めて段階的に業務全体に広げていく、スモールスタートのDX「スモールDX」を推奨します。

<ここまでのポイント>
・DXには明確な目標と意識改革、現状分析による課題発見が必要。
・中小企業には、小さく始めて業務全体に広げるスモールDXがおすすめ。

関連記事