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 中小企業のデジタル化を支えてきたIT導入補助金の名称が変更され、新制度「デジタル化・AI導入補助金」として、2026年3月から公募が始まります。

 働き方改革、建設業法改正、人手不足と課題が山積する建設業にとって、デジタル化・AI活用は待ったなしの経営課題です。最大450万円、補助率最大2/3という手厚い支援を活用して、デジタル化に舵を切るチャンスです!< /p>

制度変更のポイントから申請準備まで、デジタル化・AI導入補助金を活用するために知っておくべき情報を網羅的に解説します。

目次
・デジタル化・AI導入補助金活用のすすめ
 -なぜ国が「AI導入補助金」を推進するのか – 政策的背景
 -建設業が直面する3つの課題:改正法対応・人手不足・生産性向上
 -デジタル化・AI活用がもたらす5つのメリット
・IT導入補助金2025補正予算の期限と移行スケジュール
 -IT導入補助金は2026年1月7日で公募終了!
 -2026年度への移行で注意すべき手続き
・デジタル化・AI導入補助金2026の制度概要とスケジュール
 -5つの申請枠の概要と補助率・補助上限額
 -公募開始時期の予想と申請スケジュール
 -登録ITツールの仕組みと選定時の注意点
・採択率向上のための申請ポイントと必須準備
 -2025年度の採択率低下要因と審査厳格化の実態
 -IT導入支援事業者を選ぶ際の確認ポイント
・デジタル化・AI導入補助金活用で今こそDX実現へ

デジタル化・AI導入補助金活用のすすめ

なぜ国が「デジタル化・AI導入補助金」を推進するのか~政策的背景

  

 2017年の補正予算でスタートし、中小企業のIT導入を後押ししてきた「IT導入補助金」が生まれ変わります。
 令和7年度補正予算にて、中小企業のデジタル化やAI活用を後押しするための新しい支援枠が設けられ、令和8年度からは正式に「デジタル化・AI導入補助金」へと変更されます。この流れにはIT導入補助金の流れを引き継ぎつつ、さらに進んだAI活用やデジタル化を推進する狙いがあります。
 背景には、中小企業が直面している深刻な人手不足問題があります。少子高齢化が進む中、このまま労働人口が減少しても、日本の経済・社会を維持できるだけの成果を生み出せる体制を構築することが不可欠です。そのために、国はデジタル技術やAIを活用することで、労働生産性の向上を推進する政策を強化しています。
 また、企業規模によるデジタル化格差も大きな問題となっています。大企業ではDX推進が進む一方、中小企業では資金面・人材面の制約からデジタル化が遅れている実態があります。こうした格差を是正し、中小企業の競争力を底上げするための支援策として用意された制度なのです。

出典:デジタル化・AI導入補助金2026

建設業が直面する3つの課題:改正法対応・人手不足・生産性向上

 建設業においても事業規模を問わず、デジタル化・AI活用がマストになりつつあります。その背景となる3つの課題を解説します。
 まず、2024年4月から施行された時間外労働上限規制があります。従来の長時間労働を前提とした工期設定が排除されるようになりました。客観的な労働時間の把握が必須となり、労務管理のデジタル化が進んでいます。同時に適正な労働時間の中で工期を守り、収益を確保するための業務効率化が求められています。
 次に、2025年12月に完全施行された建設業法改正です。契約書や見積書の要件が大きく変わり、標準労務費の設定や適正な工期設定など、建設業界の商習慣は根底から変わりました。工事原価や労務管理などをExcelや手集計に頼っていては、法令遵守と業務の両立が難しくなっています。
 そして、深刻な人手不足の問題があります。技能者の高齢化は進み、国や業界としての取り組みはあるものの、若手入職者が増えているとは言い難い状況です。人手を増やすことは難しい状況で、中小企業がこれまで通りの施工品質と赤字回避を両立させるには、生産性を高める以外の選択肢はありません。
 働き方改革、改正建設業法の法対応と人手不足への対策(生産性向上)を、一挙に解決できる方法としてAI活用・デジタル化が最適解なのです。

デジタル化・AI導入補助金活用の5つのメリット

 中小企業のデジタル化・DXを推進するのが「デジタル化・AI導入補助金」です。中小規模の設備業の会社が、デジタル化・AI導入補助金を活用してシステムを導入するメリットを紹介します。

(1)収益性の向上
業務プロセスのデジタル化により、収益アップを実現できます。
・積算見積:見積の一元管理と標準化により適正な見積作成を実現し、赤字受注を回避。
・工事原価管理:工事原価をリアルタイムに把握することで着工後の赤字化を防止。

(2)法制対応の確実性
労働法規や改正法で求められる適正な管理を、システムによる自動化・標準化で実現でき、コンプライアンスリスクを低減できます。

(3)業務の効率化
見積書作成、報告書作成、勤怠管理などの定型業務を効率化できます。業務が集中する経営者・管理職、現場責任者の事務作業を軽減でき、本来業務に集中できるようになります。従業員の残業時間も削減できます。

(4)データ活用による経営改善
データの一元化により、蓄積した工事データを自社歩掛の作成や原価や工期を予測できるようになります。データ活用でスピーディーな意志決定やリスク対応が可能になります。

(5)人手不足の緩和・解消
業務の効率化によって一人当たりの生産性を高めることで、少人数でも高品質・高収益をめざすことができます。柔軟な働き方や働きやすい環境によって人材の定着率アップも期待できます。また、アナログ業務では若年入職者の獲得が難しい傾向にあります。

<ここまでのポイント>
•IT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金」へと名称変更。
•人手不足・改正法対応・生産性向上の課題解決はデジタル化・AI活用が最適。
•補助金活用のデジタル化・AI活用で生産性向上、法制対応を同時に実現できる。

IT導入補助金2025補正予算の期限と移行スケジュール

IT導入補助金は2026年1月7日で公募終了!

 IT導入補助金2025の公募は2026年1月7日をもって終了し、最終となる第8次の交付決定は2026年2月17日に行われる予定です。例年は補正予算が組まれて、3,4月まで申請を受け付けていたので、あてが外れた方もいるのではないでしょうか。

 令和7年度補正予算では、IT導入補助金に代わる「中小企業生産性革命推進事業」として、前年度と同額の3400億円が計上されました。この予算がデジタル化・AI導入補助金に配分され、2026年3月30日(月)から交付申請がスタートします。

2026年度への移行で注意すべき手続き

 2026年度の交付申請の流れは、IT導入補助金から大きな違いはありませんが、事前準備が必要な手続きを整理しておきます。
 これらの手続きに加えて、IT導入支援事業者を決めて相談を始めておくとよいでしょう。適切なITツールの選定や申請書作成には時間がかかるため、公募開始を待たずに準備を始めることをお奨めします。

(1)GビズIDプライムの取得(必須)
GビズIDは申請に必須の電子認証システムです。ID発行までに2週間ほどかかる場合もありますので、公募開始前に必ず取得しておきましょう。

参考:GビズID

(2)SECURITY ACTION セキュリティ対策自己宣言(必須)
情報セキュリティ対策への取組を宣言する無料の制度で、申請の必須要件となっています。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のウェブサイトから簡単に宣言できます。

参考: SECURITY ACTIONとは? : SECURITY ACTION セキュリティ対策自己宣言

(3)デジwithの実施(推奨)
通常枠では必須要件、その他の枠でも加点要素となるため、早めに対応しておくことをお勧めします。

参考:デジwith

<ここまでのポイント>
•IT導入補助金2025は2026年1月で終了。
•デジタル化・AI導入補助金は2026年3月30日(月)から交付申請がスタート。
•申請にはGビズIDプライム、SECURITY ACTION宣言、デジwith実施が必要。

デジタル化・AI導入補助金2026の制度概要とスケジュール

5つの申請枠の概要と補助率・補助上限額

 デジタル化・AI導入補助金2026には、5つの申請枠が用意されています。

名称 概要・補助対象 補助率/補助額
通常枠 事業のデジタル化を目的としたシステム・ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ、導入コンサルティング・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル設定・導入研修、保守サポート 1/2以内、賃金の要件を満たした場合は2/3以内
1プロセス以上:5万円以上150万円未満
4プロセス以上:150万円以上450万円以下
インボイス枠
対応類型
インボイス制度に対応した「会計」・「受発注」・「決済」の機能を有するソフトウェア、PC・ハードウェア等 ソフトウェア:中小企業3/4以内、小規模事業者4/5以内/50万円以下、2機能以上を有する場合は2/3以内/50万円超〜350万円以下
PC・ハードウェア等:1/2以内/10万円以下、レジ・券売機等:1/2以内/10万円以下
インボイス枠
電子取引類型
発注者がインボイス制度対応の受注者である中小企業・小規模事業者等に、供与するITツール(受発注ソフト) 中小企業・小規模事業者等1/2以内、その他の事業者:1/3以内/(下限なし)~350万円以下
セキュリティ対策推進枠 サイバーセキュリティ対策を強化するためのITツールの導入費用およびサービス(最大2年分) 小規模事業者:2/3以内、中小企業:1/2以内
5万円~150万円
複数者連携デジタル化・AI導入枠 業界団体、商店街など10社以上が連携して導入するITツール 基盤導入経費(ソフトウェア、ハードウェア)+消費動向等分析経費:上限3000万円、その他経費:上限200万円

公募開始時期の予想と申請スケジュール

 デジタル化・AI導入補助金2026の交付申請は、2026年3月30日から開始されます。2月現在で、4次(2026年8月25日締切)までのスケジュールが発表されています。その後のスケジュールは、令和8年度の予算次第になりますが、IT導入補助金では年6~7回の公募が実施されていましたので、下期も継続する可能性が高いです。
デジタル化・AI導入補助金2026 一次締切分スケジュール

通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠
交付申請期間 2026年3月30日(月)~
締切日 2026年5月12日(火)17:00
交付決定日 2026年6月18日(木)(予定)
事業実施期間 交付決定~2026年12月25日(金)17:00(予定)
複数者連携デジタル化・AI導入枠
交付申請期間 2026年3月30日(月)~
締切日 2026年6月15日(月)17:00
交付決定日 2026年7月23日(木)(予定)
事業実施期間 交付決定~2027年1月29日(金)17:00(予定)

出典:事業スケジュール | デジタル化・AI導入補助金2026


登録ITツールの仕組みと選定時の注意点

 IT導入補助金と同じく、デジタル化・AI導入補助金の補助対象となるのは、事前に登録されたITツールのみです。自社で任意のソフトウェアを購入しても補助対象にはなりません。IT導入支援事業者(登録ベンダー)が申請をサポートする流れも同様です。

 ITツールには業務プロセス要件があり、1プロセス以上を保有する必要があります。たとえば、単なる会計ソフトやコミュニケーションツール単体では補助対象にはなりませんが、他の業務プロセスを持つITツールと組み合わせることで申請可能になる場合があります。

 自社の課題解決に適したツールを選定することが重要であり、導入ツールの提案から申請までをサポートするのがIT導入支援事業者です。まずは支援事業者の選定が採択への重要なファクターとなります。

<ここまでのポイント>
•5つの申請枠があり、最大450万円、補助率最大2/3が補助される。
•4次締切(8月25日)までのスケジュールが公表済み。
•補助対象は事前登録されたITツールのみ、IT導入支援事業者の選定が鍵。

採択率向上のための申請ポイントと必須準備

2025年度の採択率低下要因と審査厳格化の実態

 過去に発生した不正受給の影響により、審査が厳格化されました。その結果、2025年度の第1回の採択率は大幅に低下しました。

 今後の交付申請で求められるのは、課題→導入→運用→効果という一連の流れを実績で説明することです。課題とITツールの説明だけでは不十分で、以下のポイントを明確に示す必要があります。特に効果測定の方法は重要な審査ポイントになると言われています。

 ・具体的な経営課題を明確にする
 ・そのツールでどう解決するのか
 ・導入後どう運用するのか
 ・どのような効果を数値目標として設定するのか
 ・効果測定方法の明確化

IT導入支援事業者を選ぶ際の確認ポイント

 IT導入支援事業者の支援は採択に大きく影響します。 自社の課題に適したITツールを登録していることが前提ですが、事業者選定にあたっては、設備業へのツール導入とIT導入補助金の支援、2つの実績で選ぶのが妥当と言えるでしょう。
設備業業務や固有の課題に精通している事業者であれば、適切なツールの提案を期待できます。また、IT導入補助金の実績が豊富な事業者には、申請書作成のノウハウも期待できます。忘れてはいけないのが、導入後のアフターサポート体制です。補助金を受け取って終わりではなく、実際にシステムを活用して成果を出すことが本来の目的です。導入後の運用支援、操作研修、トラブル対応などの体制が整っていることや採択後も親身になってくれる企業姿勢もチェックしましょう。

<ここまでのポイント>
•不正受給の影響で審査が厳格化。
•課題から効果までの論理的な説明や効果測定方法の明確化が重要な審査ポイント。
•設備業への導入実績と補助金支援の実績が豊富なIT導入支援事業者を選ぶべき。

デジタル化・AI導入補助金活用で今こそDX実現へ

 「デジタル化・AI導入補助金」は、3月下旬にスタートします。変更された名称が示す、デジタル化・AI 活用は中小企業の重点施策として明確に位置づけられています。 特に建設業界では、改正法対応や人手不足解消が待ったなしであり、これらの切り札として、デジタル化・AI活用は唯一無二の選択肢と言っても過言ではないでしょう。この際、最大450万円、補助率最大2/3という手厚い支援を活用しない手はありません。

 しかし、公募が始まってから準備を始めるでは遅いかもしれません。必要な手続きと情報収集、特に、IT導入支援事業者選びは早めに着手することをお勧めします。デジタル化・AI導入補助金を活用し、貴社のDX実現に向けて、今こそ一歩を踏み出しましょう。

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