消防設備点検の現場では、点検期限の見落としや、紙・エクセル・個人管理に分散した台帳が、思わぬコストを生んでいます。さらに、修繕工事の受注ロスや請求もれなどの明確な損失につながっている可能性もあります。建物台帳とスケジュール管理を仕組み化し、原価管理ともつなげることで、こうした「見えないコスト」を減らす方法を解説します。
目次
1. 消防設備点検、スケジュール管理の「抜け漏れ」と「分散管理」が招くコスト
(1) 点検期限の見落とし・対応漏れのリスク
(2) 建物台帳が紙・エクセル・個人管理にバラバラに存在する問題
2. 点検予定と原価管理が別々に管理されることで起きる問題
(1) スケジュール管理システムと原価管理システムが別々だと、二重入力が発生する
(2) 二重入力はミスの温床になり、正確な原価把握を妨げる
3. 建物台帳×スケジュール管理で防げること
(1) 未点検物件の抜け漏れがないスケジュールを作成する
(2) 進捗状況・連絡状況・現場の入出退を可視化する
(3) 携帯端末からスケジュール確認・現場の入出退登録ができる
4. スケジュール管理と原価管理をつなぐことの効果
(1) 台帳・スケジュールのデータを工事原価管理へ自動連携
(2) 点検業務と原価管理を一気通貫で管理する
まとめ|点検業務のスケジュール管理を仕組み化する
1. 消防設備点検、スケジュール管理の「抜け漏れ」と「分散管理」が招くコスト
点検周期・報告期限が決まっている消防設備点検は、適切なスケジュールを組み、限られたリソースを効率よく回していくことで生産性が向上します。反面、スケジュール管理が仕組み化されていないと、見えないコストが積み重なっていくリスクがあります。
また、点検時に見つけた不具合の見積提出が遅れて修繕工事の受注機会を逃したり、請求処理が漏れて売上を取りこぼしたりする、具体的な損失につながることもあります。
(1) 点検期限の見落とし・対応漏れのリスク
消防設備は、建物や設備の種類によって管理すべき情報が多岐にわたり、点検周期や物件情報などの管理が、担当者の記憶や個人の管理に依存しがちです。点検期限の見落としが、法定点検の未実施につながる可能性もあります。自社の営業上の損失に留まらず、クライアントが法的な責任を問われる重大なリスクです。
こうした管理体制のもとでは、担当者の異動や退職で個人が管理していた情報がうまく引き継がれず、抜け漏れが起きやすくなります。
(2) 建物台帳が紙・エクセル・個人管理にバラバラに存在する問題
消防設備の会社で、建物ごとの契約情報や点検履歴が、紙のファイルや個人のエクセルに分散して保管されているケースは少なくないようです。
その結果、担当者が不在の時に必要な情報がどこにあるか分からず、確認に時間を取られたり、お客様を待たせたりしてしまうことはありませんか。こうした情報の分散そのものが、後述する二重入力・二重管理の温床にもなっています。
<ここまでのポイント>
・点検業務の管理を個人に依存すると、見落とし・対応漏れのリスクが高まる
・建物台帳が紙・エクセル・個人管理に分散していると、確認の手間と情報の分断が生まれる
関連記事:【消防設備DX】紙とExcelから脱却!デジタル化で消防設備点検は変わる
2. 点検予定と原価管理が別々に管理されることで起きる問題
スケジュール管理と原価管理の分断も業務を煩雑にする原因になります。
(1) スケジュール管理システムと原価管理システムが別々だと、二重入力が発生する
点検予定はエクセルのスケジュール表で管理し、点検業務の実績を別の管理表や原価管理システムに転記する、という二段階で管理している会社も多いのではないでしょうか。
もちろん、その方法でも管理はできますが、同じ工事・点検の情報を、システムごとに手作業で入力し直す必要が生じます。物件数が多い会社では、実はこの転記作業が担当者の業務負荷となっているかもしれません。
(2) 二重入力はミスの温床になり、正確な原価把握を妨げる
転記作業は担当者の時間を消耗するだけでなく、入力ミスや反映漏れが発生するリスクを生んでいます。
些細な入力ミスで原価管理の情報を集計できなくなり、実際の収支と管理表がずれてしまうケースも少なくありません。結果として、どの物件がどれだけ利益を生んでいるのか、正確に把握しづらい状態が続いてしまいます。
<ここまでのポイント>
・スケジュール管理と原価管理が別々だと、二重入力の手間が発生する
・二重入力はミスの温床になり、正確な原価管理を妨げる
3. 建物台帳×スケジュール管理で防げること
建物ごとの台帳管理と点検予定管理を1つの仕組みにまとめると、抜け漏れと分散管理の問題を同時に解決できます。
(1) 未点検物件の抜け漏れがないスケジュールを作成する
過去の点検実績や契約台帳をもとにすれば、未点検物件を洗い出したうえでスケジュールを作成できます。個人の記憶に頼らず、台帳データから点検期限のアラートを出したり、スケジュール作成を自動化したりすることも可能です。
たとえば、年度が替わるタイミングで担当者が交代しても、台帳に蓄積された情報がそのまま引き継がれるため、「担当がいなくてわからない」という事態を避けられます。
(2) 進捗状況・連絡状況・現場の入出退を可視化する
クラウド型のスケジュール管理システムであれば、誰がどの物件をいつ点検したのかと履歴情報だけでなく、作業の進捗状況や点検の連絡状況、現場の入出退などを、リアルタイムに近い情報を把握できるようになります。
点検担当者が現場から登録した情報をシステム上で確認できるので、今どの物件を対応中かが一目で分かります。作業当日にお客様から問い合わせがあっても、現場に確認の電話をかけなくても把握できる状態をつくれることもメリットのひとつです。
(3) 携帯端末からスケジュール確認・現場の入出退登録ができる
モバイルデバイスに対応したスケジュール管理システムであれば、点検作業の合間でも契約情報の確認や点検スケジュールの確認、現場の入出退登録が行えます。その場で必要な情報を確認でき、事務所に戻った後の事務作業を軽減できます。また、急な予定変更やお客様からの問い合わせにもその場で対応できるため、事務所と現場との間で連絡を減らし、点検作業に集中しやすくなる点も見逃せません。
<ここまでのポイント>
・建物台帳とスケジュール管理を1つにまとめることで、未点検物件の抜け漏れ防止につながる
・点検作業の進捗、報告、現場の入出退などを可視化し、モバイルデバイスから確認できる
4. スケジュール管理と原価管理をつなぐことの効果
点検業務のスケジュール管理と原価管理を連携することで、二重入力の作業をなくすことができます。
(1) 台帳・スケジュールのデータを工事原価管理へ自動連携
建物台帳からスケジュール管理、報告書作成、請求書発行、原価管理の各フェーズでの転記作業が自動化されることで、事務担当者が手作業でシステム間のデータを行き来する必要がなくなります。
こうじやさん®シリーズの建物管理・スケジュール管理ソフト「Planner EX」は、建物台帳やスケジュールのデータを、工事原価管理システム「二の丸EXv3」へ連携できます。複数の報告書作成システムから、出力されたCSVデータの取り込みにも対応しているため、点検報告作成の業務の仕組みを大きく変えずに導入しやすいのも特徴です。
[Planner EX]建物台帳管理・スケジュール作成システム
(2) 点検業務と原価管理を一気通貫で管理する
データ連携によってスケジュールの作成から原価管理までを、一つの流れとして扱えるようになります。建物台帳を起点に、売上分析や物件ごとの各種書類の管理まで行えるようになる点も省力化・効率化に貢献することでしょう。
関連記事:【設備業】実行予算と実績の差異でわかる、自社の強みと伸びしろ
<ここまでのポイント>
・台帳・スケジュールのデータは、工事原価管理システムへ自動連携できる
・点検業務と原価管理を一気通貫で管理できるようになる
まとめ|点検業務のスケジュール管理を仕組み化する
点検業務のスケジュール管理の乱れは、社内の非効率だけでなく、受注ロスや請求もれといった具体的な損失にもつながります。建物台帳とスケジュール管理を仕組み化し、原価管理とつなげることが、その対策になります。こうじやさん®シリーズ 「Planner EX」は、建物ごとの台帳管理と点検スケジュール管理を一つにまとめ、工事原価管理システム「二の丸EXv3」ともデータ連携できます。
<本記事のポイント>
Q. 点検業務のスケジュール管理が仕組み化されていないと、どんな問題が起きる?
A. 点検期限の見落としや対応漏れ、担当者の異動時の引き継ぎ漏れが起きやすくなる。さらに、修繕工事の見積提出が遅れて受注機会を逃したり、請求処理が漏れたりする、具体的な損失にもつながる。
Q. 台帳とスケジュール管理を1つにまとめると何が防げるのか?
A. 未点検物件の抜け漏れを防ぎ、進捗・連絡状況・現場の入出退をリアルタイムに可視化できる。携帯端末からの確認・登録もでき、事務所と現場のやり取りも減らせる。
Q. スケジュール管理と原価管理をつなぐとどうなるのか?
A. 台帳・スケジュールのデータを工事原価管理システムへ自動連携でき、二重入力の手間をなくせる。点検業務から原価管理までを一気通貫で管理できるようになる。
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