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【インボイス制度】2023年10月以降の消費税の仕入税額控除について解説

インボイス制度の仕入税額控除の要件

 インボイス制度で仕入税額控除を行うための要件をまとめます。

(1)帳簿と請求書の保存

 仕入税額控除を行うためには、以下の要件を満たした帳簿と請求書の保存が必要です。税込3万円未満の取引については、帳簿に取引内容を記載するだけで認められます。

①帳簿
・税率ごとに区分されている(区分経理)
・帳簿を閉鎖した日から7年間保存する
②請求書
・帳簿の事実を証明する区分記載請求書
・請求書を受領した日の課税期間終了の2ヶ月後から7年間保存する

(2)帳簿の記載事項

 帳簿には、仕入れに関する下記項目が明記されている必要があります。
①仕入れの相手方の名称(氏名)
②仕入れを行った年月日
③仕入れにかかる資産または役務の内容
④仕入れにかかる支払対価の額(消費税込

(3)請求書の記載事項

 帳簿とその記載内容を証明するための請求書はセットで保存されなければなりません。請求書には下記項目の記載が必要です。
①請求書発行者の名称(氏名)
②取引年月日
③取引内容 ※軽減税率対象品目は明記
④税率ごとに合計した対価(税込価格)
⑤交付を受ける事業者名(氏名)

(4)4つの計算方法から選択

 課税売上に対応する仕入だけが仕入税額控除の対象となり、課税売上と非課税売上を区別する区分経理が原則となります。控除額の算出には4つの計算方法があり、事業者が任意で選択できます。

①全額控除
課税期間中の「課税売上高が5億円以下かつ課税売上割合が95%以上」の場合は、課税売上の消費税額から課税仕入れなどの消費税額の全額を控除できます。全額控除が認められるのは、売上のほとんどが課税売上で、規模が大きくない事業者です。

②個別対応方式
課税売上の仕入れ、非課税売上の仕入れ、両者に共通する仕入のそれぞれに個別対応する方法です。
・課税売上の仕入は全額控除する
・非課税売上の仕入は控除しない
・共通仕入れは、課税売上割合で控除する
※課税売上割合:総売上高(税抜)における課税売上高の比率

③一括比例配分方式
すべての仕入れに課税売上割合をかけて額を控除します。
※個別対応方式の共通仕入れと同じ計算方法

④簡易課税制度
課税売上高に、事業区分ごとに定められた「みなし仕入率」をかけて控除額を算出します。建設業は第三種に該当し、みなし仕入れ率は70%です。簡易課税制度を適用できるのは前々事業年度の課税売上高が5,000万円以下の事業者に限られます。適用に際しては、該当年度が始まる前に所轄の税務署への届出が必要です。

<ここまでのポイント>
・仕入税額控除の適用には要件を満たした帳簿と請求書の保存
・控除額の計算には4つの計算方法があり、条件により任意で選択できる

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