実行予算とは、組み方と活用方法、工事管理で注意すべきポイント
見積データを活用して実行予算を作成する
実行予算書を一から作ると思うと大変な作業というイメージがありますが、見積データを流用すると実行予算をスムーズに作成できます。
実行予算を作成したことがないという会社にもおすすめです。最初は実行予算書の精度にはこだわらず、見積書の書き換え程度の内容から始めてみるのもよいでしょう。見積内容と原価の項目は概ねリンクしていますので、単価の修正や項目を追加する程度の作業で、簡単な実行予算書の形を作れます。
また、「材料」「外注」「労務」「経費」の項目ごとのおおまかな管理からスタートするという考え方もあります。
シンプルな実行予算書でも、原価や利益が明確になると、工事管理を行う上で注意すべき点を把握できます。
実行予算書でもっとも重要なのは、原価などが施工実態に即していることです。見積をそのまま移行した実行予算では無意味です。最初のうちはシンプルな項目でもけっこうですので、原価の内容を正確に反映することが重要です。原価管理ができておらず、工事ごとの原価を把握できていないという場合は、工事原価管理から着手するのがよいでしょう。
見積作成ソフトや原価管理ソフトには、実行予算書を作成する機能を搭載した製品もあります。Excelなどの表計算ソフトに慣れていて、業務系のソフトに対してハードルが高いイメージをお持ちの方もいらっしゃいます。業務系ソフトは、規定の項目に入力すれば集計や自動計算を行うように作られているため、慣れてしまうとより簡単に充実した機能を活用できます。